被害妄想
今まで生きてきて何度「被害妄想」と言われたことだろう。
「被害妄想」とは便利な言葉だ。
実際の被害を訴える相手に対し、「それは被害妄想だ」で片付ける人が多い。
単に自身に解決するだけの知識や技量がないだけなのだが、それを相手の「被害妄想」のせいにする人が多い。
僕は幼少の頃から様々ないじめに遭い、その被害を訴えるたびに大人たちから「お前は被害妄想だ」と言われて片付けられてきた。
単に、被害者の被害妄想と決め付けてしまえば、その場で一瞬で問題解決してしまうからだ。
今、思い出しても僕は絶対に被害妄想ではない。
被害妄想で身体に無数のアザが出来たり、ひどい時は骨折したり、所有物が忽然と消えたり、ノートや教科書に「死ね」と書かれたりすることが被害妄想とは思えない。
思えば僕は、ずいぶんとひどい目に遭ってきた。
今の時代は「いじめ」と言うようだが、僕の時代は「被害妄想」だった。
今の子供たちが、当時の僕と同じような目に遭っていないことを祈る。