死ねと言われて……
僕に死んでほしいと願う人は多数いるようだ。
過去に「死ね」と言われたことは多数ある。
そもそも生まれてきたことが間違いだった僕なんだから、消えて欲しいと思う人も多かったのだろう。
父親の遊び心で母親に仕込まれてしまった僕は、一度は堕胎(人工妊娠中絶)までをも考えられたらしい。
僕は幼少期から両親の家族らに「お前さえ生まれてこなかったら、あんな女(男)に家をかき回されずに済んだんだ」などと言われて育った。つまりは生まれてきたことを歓迎されない存在だった。
その後、僕は両親からは養育を放棄され、その後は親戚を転々とした。
それら親戚からお荷物扱いされ、何度「早く死ね」と言われてきただろう。
大人の事情は良くわからなかったが、なぜか僕は「死ね」と言われるほど嫌われていたわりには施設などへ預けられることはなく(施設側で受け入れてくれなかったらしい)、親戚をたらい回され、行く先々で「早く死ね」と言われ続けた。
小学校、中学校ともに、同級生、教師、同級生の保護者らから、「死ね!」「死ねば?」「死んでくれ」なんて聞き飽きるほど言われた。
社会へ出てからしばらくは平和に過ごしてきたが、会社で上司から嫌われて以来、上司に目をつけられた僕は、再び「早く死ね」と言われるようになった。
朝、出社したときに上司に挨拶すると、「なんだ、まだ生きてたのか」と言われ、「後ろが閊えているから早く辞めるか死ぬかしてくれ」と言われ続けた。
会社をクビになった後も、上司らにダマされて僕が責任を放り出して辞めたと信じている人たちから、携帯やメールに何度も「無責任だ、早く死ね!」といった辛辣な苦情や誹謗中傷をいただき、その後、携帯電話番号やメールアドレスがどこかに晒されたらしく、イタ電や迷惑メールが爆発的に激しく増え、結果として僕は携帯電話を解約し、メールアドレスもすべて無効にするほど追い込まれた。
僕は、僕にはまったく身に覚えのないことばかりで、僕が生まれてきたことが悪いというのなら、僕ではなくて無責任に僕を作って捨てた勝手な連中に文句を言ってもらいたい。
小・中学校で僕に「死ね」と言った輩には、僕が親に育てられていないのは僕のせいではないし、不潔でみすぼらしかったのは養育者の責任であって、当時子供だった僕にはどうすることもできなかったと言いたい。
そもそも社会人が、いっぱしの大人が、人に「早く死ね」などと、よく言えたものだ。
残念ながら、それでも僕は今まで生き続けた。
これから先どうするかは未定だが、生きている限り、またいつ「死ね」と言われるかわからない。
今までは「殺されない限り生きてやる」と自分に言い聞かせてきた。
しかし、その陰では「死んだらどうなるのだろう」とか「幽霊になって成仏できずに彷徨うのかな」などと考えたりもした。
今ではそんなことも考えていない。
僕に「早く死ね!」と言ってくれた人たちのためにも、なるべく早く消えて差し上げようと考えている。